垂直跳びとは、主に跳躍力(ジャンプ力)を示す指標を測定する為の種目で平成11年以前に行われていたスポーツテストの種目の筋力の指標として用いられていたテスト種目の一種じゃ。
現在の体力テスト・スポーツテストでは、垂直跳びの測定は測定項目から外されておる。
これは、スポーツテスト自体が幅広い年齢層で測定が容易に可能であり、怪我の発生が少ない種目であることが求められておるため、着地時の転倒の危険性や壁面の測定ボードを使用するという性質上、壁へ衝突する際の肩の脱臼などの危険性が危惧されておるためじゃ。
その為、垂直跳び測定は平成11年以降のスポーツテスト種目から除外されておる。
尚、現在の体力テストでは跳躍力の指標として、垂直跳びではなく「立ち幅跳び」によって跳躍能力を測定するようになっておる。
但し、転倒などの危険性の少ない10代の20代の中学校や高校等では現在でも独自に体力テストを行うケースも多く垂直跳びによって跳躍力の測定を行うケースもまだ多くあるのじゃよ。
垂直跳びの測定では目盛りの付いた上下可動式のボードタイプの測定器を使用する場合と、左の写真のようなサージャントメーターと呼ばれる腰にベルトを巻いてジャンプ時の反動によって数値の測定を行う測定器を使用する2種類の測定方法に分類されておる。
実際に学校の体育館の壁などにかけられている垂直跳び専用の測定ボードを目にしたことがある方は多いじゃろう。
尚、安全性の高さから教育機関などで一時採用されたサージャントメーターによる垂直跳びの測定は測定結果に大きな誤差が生じるため現在はその正確性が疑問視されておる。
ここでは最も広く普及している測定ボードを使用して垂直跳びの測定を行う際の測定手順について確認しておくとしよう。
垂直跳びの測定手順表 | |
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手順 | 垂直跳びの測定手順表 |
① | 壁に対して横向きに直立し壁面側の手を真っ直ぐ上方に伸ばす。 |
② | 中指の指先にあたる最高点に測定ボードの目盛り「ゼロ」をセットする。 |
③ | 手の指先にマーキングを行うための専用の粉をつける。 |
④ | 壁から15cm以上離れた場所で助走をつけずにその場で跳躍を行い最高点でボードにマーキングを行う。 |
⑤ | マーキングの最高点の目盛りの位置を計測する。 |
⑥ | 測定は30秒程度のインターバルを挟んで一人計2回測定を行い結果の良かった方の数値を垂直跳びの数値として採用する。 |
壁に設置された測定ボードを使用する垂直跳びの場合は、壁面のボードに衝突してしまったり、壁にぶつかって着地時に足を捻挫するなどの怪我を招くケースが多くあるため、測定を行う際は壁からやや離れた位置にセットして跳躍を行うことが大切じゃ。
また、垂直跳びの測定では最高点で上手にマーキング出来ない場合が多く正しい数値の測定が難しい事を考慮し、数回の練習を行なってから測定を行うように配慮すると良いじゃろう。
垂直跳びの公式記録として一般的に広く認識されておるギネス記録に登録されておる垂直跳びの数値は122cmとなっておる。
このギネス記録保持者は「デイヴィッド・トンプソン」と「マイケル・ジョーダン」の2名(共に元NBA選手)であり、共に跳躍力が優れた選手としてアメリカNBAのみならず世界的に有名な選手じゃ。
尚、正式な記録として登録されていないが、彼ら以上の跳躍力を持つ選手はまだまだ多く存在する事をギネス記録保持者のマイケル・ジョーダン氏自身も認めておるのじゃよ。
垂直跳び数値の性別の平均は、成人男性の場合は55cm~65cm程度が標準ラインとなっておる。
また成人女性の場合は40cm~50cm程度が標準値となっており、瞬発力を必要とする種目でもある事から男性と女性では圧倒的に男性の方が垂直跳びの数値が高い傾向にある。
尚、垂直跳びは足の大きさが大きく影響を与える可能性があり、足のサイズが極めて大きな場合はつま先立ちをするだけで20cm、靴のサイズによっては30cmの地点に到達するケースがある事、そしてマーキングの技術力で測定結果が大きく異なってしまう可能性がある点については事前に把握しておくことが大切じゃ。