照度(ルクス)とは光を受けている面の表面に届く「単位面積当たりの光の量」を示す測光の国際単位系に属する単位の一つじゃ。
同様に明るさを示す国際単位系には光の量を示す「光束(ルーメンlm)」、光源から射す光の強さを示す「光度(カンデラcd)」、光源の明るさを示す「輝度cd/㎡」などの単位指標が存在しておる。
例えば自分の部屋で本を読んでいる設定で考えた場合、照明器具の光の量はルーメン、照明器具から本に向けて発せられる光の強さがカンデラ、そして照明器具に照らされた本のページ面部分に当たる単位面積あたりの光の量が照度、本から目に届けられる輝きの強さが輝度という事になる。
照度の測定方法は専用の照度計と呼ばれる測定器具を利用し光電効果を活用して明るさを測定する。
光電効果とは、対象となる物質が光を吸収した際に生じる電子の励起・放出や、光伝導・光起電力が現れる働きの事を指す。
照度計は電子回路で光電効果を読み取り照度や輝度を算出する仕組みとなっておる。
適正照度の目安は、作業環境や生活環境、陽当りの問題など多くの要素を考慮して決められるため一定の基準は存在しない。
尚、我々の目は照度の明暗が強すぎると目が受け取る輝度の明暗差が強くなり目に強いストレスが加わることが確認されておる。(グレアと呼ぶ)
その為、各フロア・居室内の最も明るい場所と最も暗い場所の比率である照度比は10:1の比率が基本的な目安の基準となっておる。
尚、細かな作業を行う作業場ではより高い照度が必要とされる事が想定されるため、JIS規格では環境毎に区分した照度の推奨値を提示しておる。
例えば設計や作図などの行う作業場では750ルクス~2000ルクスという高い基準値が設けられておる。
また最も繊細な作業となりうる病院の手術台の直径30cmの範囲では20000ルクス以上の照度を保つ必要があるのじゃよ。
照度基準は職場の環境や教育施設内の環境、そして生活環境などを踏まえて推奨値が決定されておる。
日本工業規格(JIS)の設定する照度基準推奨値を以下にまとめておくのでチェックしておくと良いじゃろう。
明るいイメージのある場所は照度基準も高く、暗いイメージのある場所はやはり照度基準も低く設定されておるなど日常生活の範囲内で体感していた明るさは照度基準も少なからず影響しておる事が感じられるかもしれんのぉ。
【JIS照度基準推奨値一覧表】 | |
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照度基準(ルクス) | 場所 |
750lx以上 | 事務所・営業室・設計室・製図室・玄関ホール・手術室 |
150lx以上~750lx以下 | 事務室・会議室・受付・診療室・待合室・教室・保健室・図書閲覧室・放送室・エレベーター |
75ix以上~150lx以下 | 体育館・喫茶室・更衣室・休憩室・倉庫 |
30ix以上~75lx以下 | 屋内非常階段 |